室内消毒費用、消臭除菌費用、害虫駆除費用について

室内消毒費用、消臭除菌費用、害虫駆除費用について

お部屋を借りるとき、ご契約時の初期費用の中に

  • 「室内消毒費用」
  • 「消臭除菌費用」
  • 「害虫駆除費用」

といった名目の費用が含まれていることがあります。

一見すると「やってくれた方が安心かな」と思ってしまいますが、本当に必要な費用なのか、どんな内容なのかを確認することが大切です。


室内消毒費用・消臭除菌費用・害虫駆除費用とは?

一般的には、

ご入居前に専用の薬剤を室内に噴霧し、除菌・消臭・防虫効果を期待するための作業費用

という説明がされています。

しかし、実際のところ、

  • 実際に作業が行われているのか
  • 効果があるのか

を入居者側が確認することは難しく、作業内容が不透明なことが多いのが実情です。

中には、実際には作業をほとんど行っていないにもかかわらず、
「消毒済み」と書かれた紙を置くだけ、というケースもあると言われています。


2018年12月の札幌での爆発事故

2018年12月、札幌で大きな爆発事故が起きました。

原因は、入居前の消臭作業を行わないまま、未使用のスプレー缶120本を室内で不適切に処理したことだと報道されています。

札幌の爆発、入居前の消臭せず 新品スプレー120本処理

(出典:日本経済新聞)

この事故から分かるのは、

  • 「やったことにしておけば大丈夫」という安易な考え方が、
    大きな事故につながることもある
  • 実際には作業が行われていなかった

ということです。


室内消毒費用・消臭除菌費用・害虫駆除費用は外せるのか?

結論からお伝えすると、ケースによります。

管理会社・貸主が「契約条件」として設定している場合

募集図面(チラシ)、 SUUMOなどのポータルサイトの広告、管理会社が発行する請求書などに、費用が記載されている場合、原則として外すことは難しいです。

仲介業者が独自に追加している場合

一方で、仲介業者が勝手に「室内消毒費用」「消臭除菌費用」「害虫駆除費用」などを初期費用に上乗せしているケースもあります。

この場合は、契約の必須条件ではありませんので、不要であれば外してもらう交渉が可能です。

仲介業者への正当な報酬は「仲介手数料」であり、それ以外の名目の費用がすべて必須とは限りません。


どうやって見分けるのか?

「これは契約条件なのか」「仲介業者が独自に載せているだけなのか」を見分けるには、次の2つのことで確認ができます。

【募集図面・ネット広告をチェックする】

SUUMOなどのポータルサイトの広告をいくつか見比べてみてください。

同じ物件でも、複数の不動産会社が募集広告を出しています。

物件の募集図面(チラシ)

  • 「すべての広告にこの費用が書かれている」

→ 管理会社や貸主の「契約条件」である可能性が高い

  • 「一部の会社の広告にだけ書かれている」

→ その会社が独自に費用を載せている、または単なる記載漏れの可能性

【請求書の「発行元」を確認する】

ご契約金の請求書に記載されている項目も大事なチェックポイントです。

仲介業者が発行した請求書に「室内消毒費用」「消臭除菌費用」「害虫駆除費用」などが入っている場合、
それは仲介業者が追加している費用と考えられます。

不要だと感じる場合は、
「こちらの費用は外して契約できますか?」
と相談してみてください。

管理会社が発行した請求書には「前家賃」「敷金」「礼金」「鍵交換費用」「火災保険料」「保証料」など、契約に本当に必要な初期費用が記載されています。


室内消毒費用・消臭除菌費用・害虫駆除費用は本当に必要?

私個人の考えとしては、多くの場合、これらの費用は不要だと思っています。

  • 作業内容や効果がはっきり分からない
  • 実際に作業が行われたのか確認しにくい
  • それにもかかわらず、2万円前後の費用がかかることもある

こうした点から、費用に見合うだけの価値があるとは言いにくいのが正直なところです。

それよりも、ご自身でバルサンなどの燻煙剤を購入して入居前に実施するという方法の方が、内容がはっきりしていて安心だと感じます。

当社では、契約条件として必須でない限り、不要な費用が含まれていないかを必ずチェックし、外せるものは外すように交渉しています。


最後に

このブログでは、

  • 室内消毒費用
  • 消臭除菌費用
  • 害虫駆除費用

について、仕組みや注意点をお伝えしました。

ただ、お客様ご自身が、SUUMOなどのポータルサイトを何時間も見比べて、契約書や請求書の細かい項目をすべてチェックして…と、

時間をかけて調べる必要はございません。

本当に時間をかけてほしいのは「物件探し」ではなく、
どの不動産会社に任せるか」という部分です。

信頼できる不動産会社を選ぶことができれば、

  • 不要な費用を無理に払わされる
  • 内容の分からないオプションを押し付けられる

といったリスクは大きく減らせます。

私のような地元密着の不動産会社が、もしお客様をだますようなことをすれば、
地域での信頼を失い、この先仕事を続けていくことはできません。

だからこそ、

「お客様にとって本当に必要な費用かどうか」

を一緒に確認しながら、安心してご入居いただけるようサポートして参ります。

初期費用でご不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

有限会社ケイ・ライフ

宅地建物取引士 黒田国彦

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